暮らしと法律

暮らしと法律(契約、相続・遺言、労働関係、その他)

契約・保証

相続・遺言

用語集

契約・保証

契約書がなくても契約は成立する?

 最近新しいゴルフクラブを買ったので、古いクラブを友人に安く譲りました。友人との間のことですし、契約書なんて作っていません。しかし、会社の同僚に「いくら安い金額とはいえ、お金をもらったのだから、それは売買契約になるよ。」と言われました。
 自分は要らなくなったものを「譲った」と思っていましたが、やっぱりこれも契約になるのでしょうか?

 普段の生活の中で、「契約」という言葉をよく耳にすると思います。

例えば、自動車の売買契約、家を借りる賃貸借契約、親から財産をもらったりするのも贈与契約という立派な契約なのです。私たちが日常生活の中で、何かを得たり、利用したりする上で、さまざまな「契約」が存在しているのです。

 さて、契約とは一体何なのか?ということですが、その前に契約が成立する時期についてお話しいたしましょう。

 まず、AさんはBさんのゴルフクラブを見て、「いいなぁ」という気持ちになりました。そこで、AさんはBさんに対し、「そのクラブいいね。2万円で売ってよ。」と話しました。するとBさんは、「いいよ。売ってあげるよ。」と言いました。この瞬間に契約は成立したことになるのです。つまり、売買契約というのは、買主と売主の気持ちが一緒になった時(法律用語では「意思の合致」と言います。)に契約が成立することになるのです。

 ですので、契約は意思の合致があった時に成立するので、口約束でも契約は成立します。では、なぜ契約書を作成するのでしょうか?これは、契約が成立していることや契約した内容について後日の争いを防ぐためです。証拠として作るのですね。上の例で、AさんがBさんにお金を払ったものの、Bさんがゴルフクラブをくれないので裁判を起こす、といった場合に有力な証拠となるのです。

 それでは、契約が成立するとどうなるのでしょうか?上の例をもとにお話しいたしましょう。ゴルフクラブに注目すると、AさんはBさんに対し、ゴルフクラブを渡せという権利が発生し、逆にBさんはAさんに対し、ゴルフクラブを渡さなければならないという義務が発生するのです。また、お金に注目するとBさんはAさんに対し、お金を支払えという権利が発生し、逆にAさんはBさんに対し、お金を払わなければならないという義務が発生するのです。

 売主と買主は、契約が成立するとこの権利・義務に拘束されます。ただし、契約をする中で騙されていたことに気付いた、勘違いがあった場合など契約が取り消されたり、無効となったりする場合もあります。


連帯保証と保証はどこが違う?

 最近、ある金融会社から「○○円を一括で払って下さい」という通知が来ました。確かに、数年前、知人がその金融会社からお金を借りる際に私が保証人になりました。しかし、私がお金を借りたわけでもないのに、一括で払え、なんてひどいと思い、その金融会社に電話したところ、「あなたは連帯保証人なので、払う義務がある」と言われてしまいました。その知人について、最近仕事があまりうまくいっていないらしい、という噂は聞きましたが、夜逃げしたわけではありませんし、少しは財産を持っているはずです。それでも、私が払わなければならないのでしょうか?

 たとえば、AさんがBさんにお金を貸したとします。この場合、お金を貸したAさんを債権者(質問では、金融会社)といい、お金を借りたBさんを債務者(質問では、あなたの知人)といいます。そして、債務者がお金を約束どおりに返さなかった場合に備え、他の人が代わりにお金を返す責任を負うことを保証といいます。そして、保証人のこの責任のことを保証債務といいます。

 保証には、通常の保証と連帯保証がありますが次の点がちがいます。

 連帯保証人は、保証人とちがい「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」がありません。催告の抗弁権とは、債権者から支払いの請求を受けたら、まず先に債務者本人に請求してくださいと主張する権利のことです。検索の抗弁権とは、債務者に財産があるにもかかわらず、債権者から保証人の財産につき競売等の執行を受けたとき、先に債務者の財産から執行してくださいと主張する権利です。つまり、連帯保証人にはこれらの権利がないため、お金を借りた人と同じような責任が生じてしまいます。

 この質問のケースでは、あなたの知人が、勝手にあなたの印鑑を押したなどの事情がない限り、金融会社の請求を拒否することは難しいでしょう。もちろん、あなたが支払った場合、求償権を行使して、お金を借りた本人である知人に対し「私が金融会社に払ったお金を返して下さい」と、請求できます。しかし、連帯保証人であるあなたのところに請求がきたということは、債務者である知人が約束どおり返済しなかった(出来なかった)ということですから、実際に知人からお金を返してもらうのは、かなり難しいかもしれません。ですから、保証人(特に連帯保証人)として印鑑を押す時は、慎重に考えるべきなのです。

 また、連帯保証によく似たものに、連帯債務というのもあります。これは、同じ債務に対して複数の債務者が債務の全部を各自独立して負担するものです。たとえば、夫婦が共同名義で住宅を購入し、住宅ローンも共同で借りたような場合、夫も妻も住宅ローン全額について責任を負うことになります。

 また、住宅ローンを借りる場合、保証人が必要となる場合がほとんどです。ところが、保証人や連帯保証人には重い責任があり、保証人になってくれる人はなかなかいないので、保証料を支払うことにより、保証会社などが保証人になる制度もあります。

 ところで、最近は保証人になる人を紹介するといって、高額な保証料を請求したり、保証料を支払っても実際には保証人を紹介しないといった悪質なトラブルも耳にしますので気をつけましょう。もし、このようなトラブルに遭ったらお近くの司法書士に相談することを勧めます。


相続・遺言

相続した不動産、放っておいても大丈夫?

 先日、父親が亡くなりました。父親名義の不動産があったのですが、そのままにして放って置いたところ、知人から早く相続登記をしなければ大変なことになると言われましたが本当でしょうか?

 人が死亡すると、死亡した人の財産は相続財産として妻や子供などに当然に引き継がれますが、これを相続といいます。

 誰が相続人になるのか(相続人の範囲)、相続する順位はどうなるのか(相続順位)、相続する割合はどうなるのか(相続分)は民法という法律で定められています。また、相続する割合は遺言で指定される場合もあります。相続する財産は様々ですが、相続により不動産を取得した場合には所有権移転の登記をすることになります。

 さて、この質問の場合です。大変なことになるかどうかはケースバイケースですが、速やかに相続登記をした方がいいことに間違いは有りません。放置することによって相続関係が複雑になり(相続人が死亡して第二の相続が生じることがあります)、思っていたとおりに相続出来なくなる可能性がありますし、場合によっては時効により相続する権利を失うこともあります。また、急に不動産を売却したり担保に入れたりする必要が生じた場合にも、相続登記をしていないために売却などに支障が生じることになります。


父親の財産をめぐり話がまとまりません。どうすればいい?

 先日、父親が亡くなりました。父親名義の財産を兄弟で分けたいのですが、うまく話がまとまらず困っています。どうすればいいのでしょうか?

 遺言書がある場合は、その定めに従って相続することになりますが、遺言がない場合には、遺産分割協議により相続人全員一致で遺産の配分を決めなければなりません。そして、このときには往々にして、もめ事が発生するものです。

 あなたの場合もうまく話がまとまらずに困っているようですね。お互いの立場を理解し合い、時には互いに譲り合いながら、誤解や不信感を解くためにゆっくりと時間をかけて話しをまとめるのが、結果的には一番の早道になるのですが、それにも係わらずどうしても話がまとまらない場合には、裁判所の手を借りることになります。

 一般的にはまず家庭裁判所に調停を申し立てて、裁判所を通じて相続人間の話し合い、調整を行うことによって遺産の分配を決めることになります。しかしながら、調停によっても話がまとまらない場合には、更に家庭裁判所による審判で遺産の分配を決めてもらうという手続へと進んでいくことになります。


私の死後、財産をお世話になった人にあげたりすることは出来ますか?

 あなたが死亡した場合には、あなたの相続人が財産を引き継ぐことになります。誰が相続人になるのか(相続人の範囲)、相続する順位はどうなるのか(相続順位)、相続する割合はどうなるのか(相続分)は民法という法律で定められています。

 あなたの場合は子供がいないので、配偶者と直系尊属(あなたの両親など)があなたの財産を相続することになります。もし、直系尊属もいないという場合には配偶者とあなたの兄弟姉妹が相続することになります。

 普段から疎遠な兄弟姉妹より身近でいつもお世話になっている人に遺産をあげたい、相続人となる兄弟姉妹がまったくいないので誰かに財産を譲りたい、などという場合には遺言をする方法によって財産を贈与することが出来ます。


亡くなった父親に多額の借金がありました。払わなければいけないの?

 先日、父親が亡くなったのですが、サラ金などからかなりの借金をしていることが分かりました。私はこの借金も払わなければならないのでしょうか?

 人が死亡した場合には、誰が相続人になるのか(相続人の範囲)、相続する順位はどうなるのか(相続順位)、相続する割合はどうなるのか(相続分)は民法という法律で定められています。(相続する割合は遺言で指定される場合もあります)

 あなたの場合には子供として父親の財産を相続することになります。そのとき父親から引き継ぐ相続財産には不動産や現金などの積極財産はもちろんのこと、借金などの消極財産も含まれることになります。

 従ってあなたの場合には相続人として父親の借金も引き継ぐことになります。借金が多額の場合には相続放棄限定承認を考えた方がいいかも知れません。


血のつながらない妹がいます。相続はどうなるの?

 遺言書がある場合は、その内容が優先されますが、遺言がない場合は、民法という法律で相続人の範囲、相続する順位(相続順位)、相続する割合(相続分)が決められています。ここでは、遺言が無い場合の相続人の範囲について説明します。


※相続権がない場合とは、次の2つです。

1.相続人が被相続人より先に死亡している。

2.「相続失格」や「相続排除」で相続権を失っている。

相続人となるのは

配偶者 + 第1順位者(子 or 孫)

配偶者 + 第2順位者(父母 or 祖父母…)

配偶者 + 第3順位者(兄弟姉妹 or 姪・甥)

配偶者

配偶者は常に相続人になります。

配偶者がいない場合は、上記から配偶者を除いて考えてください。

※第1順位の子には、養子縁組した養子や他の家に養子に出した実子も含まれます。

※胎児は、既に生まれているものとみなされ相続できます。

※非嫡出子(婚姻外で生まれた子)は、認知されなければ相続権はありません。

※連れ子は、再婚相手(子から見て義理の親)の相続権はありません。相続する為には、再婚相手と生前に養子縁組を結んでなければなりません。

 質問のケースでは、亡くなったお父さんとお母さんが正式に結婚していれば、お母さんは配偶者として、相続人になります。あなたに関しては、当然お父さんの実子ですから相続人となります。妹さんに関しては、お父さんと養子縁組を結んでいれば相続人となるわけです。

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