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会社と法律

【コンプライアンス】

<Q1>
コンプライアンスとは?
 最近、「コンプライアンス」という言葉を聞く機会が多いと思うのですが一体どういう意味なのでしょうか?
<A1>
 近年、企業の経営についての話題になれば必ずといって良いほど「コンプライアンス」という言葉が聞かれるようになっています。
 コンプライアンスとは通常、「法令遵守」と訳されています。
 従来、法令や各種の規制を遵守する企業の活動、あるいはそのための企業内の体制を整備する用語として用いられてきました。最近では単に法令等に違反しない「法令遵守」という形式的、消極的な意味にとどまらず、より積極的に法令等の背景にある精神や価値観まで遵守し実践してゆく活動としてとらえられる傾向があります。つまり、現代のコンプライアンスは「企業倫理」や「倫理法令遵守」、「社会規範遵守」といった意味も持つようになったといえます。
 「法令遵守」は企業はもとより社会においては当然のことです。しかし、「法令さえ遵守して違反しなければ何をしてもよい」といった発想に陥ってしまうと結果として建前だけを取り繕うこととなってしまいますので注意が必要です。
 今日の企業経営には形式的に法令遵守するだけではなくその背景にある社会の健全な倫理観や価値基準に共鳴し企業活動においてそれを積極的に実現しようとする姿勢が求められているといえるでしょう。

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<Q2>
コンプライアンスは大企業の問題?
 コンプライアンス問題は中小企業・零細企業にはあまり関係ないことなのではないでしょうか?
<A2>
 コンプライアンスは大企業はもちろん、中小企業においても決して看過できない問題となってきました。最近の企業による不正事件等を見れば明らかであり、社会は中小企業・零細企業に対してもより一層の法令遵守と企業倫理を求めてきています。
 大企業はともかく、多くの企業ではコンプライアンス整備のための部署をつくり、人員をそろえることは実際には困難です。企業の規模が小さい場合には役員や従業員各人がコンプライアンスを意識することが求められることになります。

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<Q3>
企業においてのコンプライアンス実践方法とは?
 コンプライアンスの実践にどのように取り組んでゆけばよいのでしょうか?
<A3>
 コンプライアンスの実践に取り組んでゆく企業においては、具体的に次のような手順を踏むことになります。
  1. 経営トップによる経営倫理遵守の宣言・コンプライアンスに関する基本方針の策定・表明
  2. コンプライアンス統括部署の設置等のコンプライアンス推進のための組織体制の整備
  3. 倫理綱領、コンプライアンス・マニュアルの作成、従業員への配付
  4. 社内教育・研修
  5. ヘルプライン(相談・通報窓口)の設置
  6. モニタリング(監視)の実施
 以上ですが、会社の規模により、上記の手順がすべての企業に当てはまるわけではありません。しかし、コンプライアンスへの取り組みで大切なのは、会社の規模に関係なく、まず最初に経営トップがコンプライアンスの重要性を十分に認識することです。そしてコンプライアンスの推進を全社的な取り組みとして宣言し、組織に定着させ、その宣言を具体化していくことが必要です。

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【会社内部統制】

<Q1>
名目取締役でも責任追及されるの?
 名前だけでいいから平取締役になってくれと頼んで就任してもらい登記した取締役が責任追及をされることはないのでしょうか?
<A1>
 取締役など会社役員には会社法の規定により様々な義務や責任があります。
  • 会社に対する責任(過失責任)
    1. 任務懈怠による損害賠償責任(会423T)
    2. 違法剰余金配当による損害賠償責任(会462)
    3. 利益供与よる損害賠償責任(会120)
    4. 株式買取請求に応じて株式を取得した場合における分配可能額を超えて取得した場合の損害賠償責任(会464、会116T)
    5. 期末欠損填補責任(会465)
    6. 資本充実責任(会52、会213)
  • 第三者に対する責任→過失責任
    その職務を行うにつき悪意または重過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う(会429条I)
  • 取締役等の役員に要求される義務
    1. 善管注意義務(会330、民644)
    2. 忠実義務(会355、最判昭51.3.23)
    3. 報告義務(会357)
    4. 競業避止義務と利益相反取引規制(会356、365)
    5. 取締役の監視義務違反(363U)
 名前だけということで就任した取締役も法的には立派な取締役ですから、上記のような責任が当然あります。多くは過失責任ですから過失がなければ責任はありませんし、また所定の株主総会等の決議を経れば責任が軽減免責されることもあります。
新会社法になり取締役の定員その他会社の役員等構成いわゆる機関設計については、かなり自由に出来るようになりましたので活用すべきです。無理に名目取締役を置くことはコンプライアンスの観点からは好ましいことではありません。

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【知財問題】

<Q1>
著作物の無断使用?
 会社のパンフレットを作成するにあたって、美しい風景の写真を載せたいと探していたところ、インターネットで手頃な写真を見つけました。このまま載せても問題ないでしょうか?
<A1>
 著作権とは、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した者に認められる、それらの創作物の利用を支配することを目的とする権利をいいます。
 著作権法では著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法第2条1項)と定義しています。子どもの落書きや気持ちのままに打った携帯メールの文章も、作り手の個性が生きているものであれば、立派な「著作物」です。そして、この著作物の作成者が持っている権利が「著作権」です。
 写真をそのまま使った場合はもちろん、写真をもとにして無断でイラストを描いた場合も、著作権侵害になってしまいます。企業活動においては、著作権を正しく理解し、トラブルに巻き込まれないようにすることが大切です。
文化の発展に寄与するため、次のような場合には著作物を許可を得ずに使用できます。
  • 私的使用のための複製
  • 図書館などでの複製
  • 引用
  • 教科用図書への掲載
  • 学校教育番組の放送
  • 学校での複製
  • 試験問題としての複製
  • 点字による複製
  • 聴覚障害者のための自動公衆送信
  • 営利目的でない上映上演
  • 時事事件の報道のための利用
  • 裁判手続きでの複製
  • 情報公開による開示のための利用
  • 美術品の所有者による展示
  • 展覧会の冊子などへの掲載
  • 放送のための一時的な録音録画
など。

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【労使問題】

<Q1>
零細企業でも就業規則は必要?
 当社は従業員といっても社長である私の他はアルバイト3名だけなのですが、就業規則を定めなければならないのでしょうか?
<A1>
 常時10人以上の労働者を使用する事業場では必ず就業規則を作成しなければなりません。
 また、労働者が10人未満であっても、就業規則を作成することが望まれます(労働基準法第89条)。なお、上記の「労働者」には、いわゆる正規社員のほか、パートタイム労働者や臨時のアルバイト等すべての者を含みます。
本件の場合は、労働者数が常態として10人未満ですので、労働基準法上は就業規則を作成しなくても差し支えないこととされています。しかし、労働条件や職場で守るべき規律などをめぐる事業主と労働者との間の無用の争いごとを未然に防ぎ、明るい職場づくりに寄与するという点で、就業規則の作成を是非ともお勧めします。

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<Q2>
従業員が過労で入院、会社がするべきことは?
 従業員が過労を理由に入院してしまいました。会社としてどのように対応すべきでしょうか?
<A2>
 平成18年に労働安全衛生法が改正され長時間労働者(時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり100時間を超えかつ疲労の蓄積が認められる者)を対象とした医師による面接指導等の実施が義務化されました。
 なお、努力義務として面接指導の対象者は、(1)時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者、(2)事業場において定めた基準(時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり45時間を超えた者を対象とすることが望ましい)に該当する者とされています。
 本件のようにすでに入院している場合には、担当医師の意見聴取を行い、健康状態に問題がある場合の措置(就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等)について労働者と十分に話し合って決めることとします。

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