任意整理の費用相場を解説!払えない場合の対処法も紹介

借金に困ったときの対処方法として「任意整理」があります。しかし任意整理を個人でおこなうことは難しいため、通常は弁護士か司法書士に依頼しなくてはいけません。専門家に依頼すれば、着手金や報酬金といった「費用」が必要になります。

この記事では、任意整理の費用がどのようになっているのか、細かく説明していきます。また、任意整理の費用を出すのが難しい場合に、どのようなことをすればよいのかも解説します。

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任意整理の費用相場をパターン別で徹底解説

結論から言うと、任意整理に必要な基本的な費用は「3~10万円」程度になります。

これに加え、借金が減額された場合は、その金額の10分の1程度の追加費用が必要になります。「過払い金」が発生していた場合は、過払い金の5分の1程度の費用が別途必要です。

任意整理にかかる費用について、次のようなさまざまなパターンに分けて、さらに解説していきます。

  • 任意整理でかかる費用にはどんな種類がある?
  • 債権者の数と費用に関係はある?
  • 弁護士と司法書士で費用に違いはある?
  • 任意整理と自己破産、個人再生の費用はどの程度違う?

任意整理にかかる費用について、詳しく見ていきましょう。

任意整理をした際にかかる費用の種類は把握しておこう

任意整理の費用には、おもに「相談料」「着手金」「報酬金」「減額報酬」「過払い金報酬」「実費」の6種類があり、料金はそれぞれ次のようになっています。

費用種類 金額
相談料 1時間で1万円程度※1
着手金 2~6万円程度
報酬金 2万円程度
減額報酬 10%程度
過払い金報酬 20~25%程度
実費 5,000円程度(郵便切手代、通信費、交通費など)
※1無料で相談できる法律事務所も存在する

平成16年から弁護士報酬は自由化されていますので、この表の価格はあくまで目安となっています。これよりも安い法律事務所も、もっと高い法律事務所も存在します。

また、すべての法律事務所がこのような費用種類に分けているわけでもありません。もっとシンプルに、債務1件につき何万円と、セット料金だけを提示している法律事務所もあります。

「減額報酬」は少し特殊で、実際に借金から減らされた金額によって値段が変わります。つまり、10万円減額されたなら1万円取られ、20万円減額されたなら2万円を取られるということです(減額報酬10%の場合)。

ただし、任意整理で借金の減額までしてもらえることはめったにないため、基本的には減額報酬については、あまり気にする必要はありません。

「過払い金報酬」も減額報酬同様、取り戻せた過払い金の5分1から4分の1程度の費用がかかります。裁判所を通さずに過払い金を取り戻せた場合は、その金額の20%、裁判が必要になった場合は25%程度の料金になるのが普通です。

任意整理の相談料と着手金は成否にかかわらず取られるので注意

任意整理でかかる費用の種類について紹介しましたが、このうち「相談料」「着手金」「実費」は、任意整理の成否に関わらず発生します。

つまり弁護士に頼んでも、1円も返済額が減らず、ただ利用料金だけを取られてしまうことも無くはない、ということです。こうした最悪の事態を防ぐためには、次のような方法があります。

  • 交渉力が高い実績のある法律事務所を選ぶ
  • 相談料が無料の法律事務所を選ぶ
  • 成功報酬に限定されている法律事務所を選ぶ

1番重要なのは、「信頼できる」法律事務所を選ぶということです。提示されている利用料金が安いからといって、営業実績の少ない法律事務所を利用してしまうと、逆に損をしてしまうリスクがあります。

また、「無料相談」サービスを実施している法律事務所を選ぶと、任意整理の費用を抑えられます。相談した結果信用できそうならそのまま依頼すればよいですし、頼りないと感じたら、他の法律事務所を探すという方法があります。無料相談ができる法律事務所については、この記事で紹介しますので、参考にしてみてください。

任意整理が成功した場合だけ費用が発生する「成功報酬型」の法律事務所を使うと、損をせずにすみ安心です。しかし「成功報酬」しか受け取らない法律事務所はそれほど多くないため、成功報酬だけに目を取られると、法律事務所の選択肢が減ってしまうという弱点もあります。

任意整理は債権者1人ごとに費用がかかる

ここまで任意整理にかかる費用とその種類を紹介してきましたが、これらは債権者1件ごとにかかる金額です。「相談料」だけは債務件数と関係ありませんが、それ以外は債務の件数分だけ費用がかかります。

最初の結論で、3~10万円が任意整理の基本料金としました。つまり、2社から借金をしていたら6~20万円程度、5社から借金をしていたら15~50万円程度が任意整理の費用としてかかるということです。

ただし任意整理の場合、必ずしもすべての債務に対して交渉を頼まなくてはいけない、というわけではありません。依頼者自身が、任意整理をしてほしい債務と、そのままにしておいてよい債務を選ぶことができます。

借金の額が少ない債務については、任意整理から外してしまった方が得になることも珍しくありません。下手をすると、債務額より弁護士費用の方が高くつく、といったバカバカしい自体も起こりえますので、よく注意しておかなければいけません。

債務件数が多い場合値引きしてくれることもある

任意整理の費用は、基本料金に債務件数をかけ合わせた分だけかかってしまいます。しかし法律事務所によっては、単純な乗算でなく、債務件数が多い場合に「割引」をしてもらえることもあります。

たとえば法テラス埼玉では、任意整理の費用目安として次のような金額を出しています。

件数費用目安
1社43,000円
2社64,500円
3社86,000円
4社108,000円
5社135,000円
6~10社179,000円
11~20社206,000円
21社以上233,000円

この費用目安は、実費まで含めた定額報酬となっています。過払い金がある場合は、これとは別に過払い金報酬がかかります。

仮に債務件数による割引がない設定だと、1件で4.3万円ですから、20件で86万円もかかってしまいます。それが、割引によって20件が約21万円程度にまで抑えられています。

債務件数が多い人は、債務件数による割引があるかどうかも、法律事務所を選ぶ大きな要素になります。

弁護士よりも司法書士に依頼したほうが安く収まる場合が多い

任意整理は、「弁護士」でも「司法書士」でもおこなうことができますが、司法書士のほうが料金が安い傾向があります。ただしもちろん、各法律事務所によって値段設定は変わってきますので、弁護士の方が司法書士よりも安い場合もあります。

司法書士の「日本司法書士会連合会」では、任意整理での定額報酬が「5万円(1社)」を超えてはならない、と規定しています。定額報酬というのは、着手金と報酬金を足したものです。また、減額報酬についても10%を超えてはいけないという規定があります。この規定によって、司法書士の任意整理費用は安く抑えられています。

ただし、日本司法書士会連合会の規定には法的拘束力はありません。そのため、規定に反して高い報酬を請求する司法書士も存在します。

また、すべての司法書士が任意整理を取り扱うことができるわけではありません。任意整理をおこなうことができるのは、簡裁訴訟代理権等を付与された「認定司法書士」だけです。

また、認定司法書士であっても、弁護士と違って次のような制限があります。

  • 1債権者につき140万円以下までの案件しか扱えない
  • 貸金業者が債務者を訴訟し、簡易裁判所の判決が控訴された場合、それ以上関与できない
  • 貸金業者が債務者を訴訟し、その訴訟が簡易裁判所から地方裁判所に移送された場合、それ以上関与できない

司法書士は、140万円以下の仕事しかできませんが、これは合計債務額ではなく1つの債権ごとの金額です。100万円ずつ3社から借りているというケースなら、問題なく司法書士が対応できます。また、司法書士ができるのは簡易的な手続きだけです。本格的な裁判になってくると、関与できなくなってしまいます。

費用だけで考えず、こういった制限も踏まえて、任意整理に司法書士を選ぶかどうか考える必要があります。

弁護士に任意整理を依頼した際の費用相場

弁護士に任意整理を依頼した場合、かかる費用の具体例は次のようになっています。

事務所費用
東京ロータス法律事務所着手金22,000円、報酬金22,000円
弁護士法人・響着手金55,000円以上、報酬金11,000円
法律事務所ホームワン着手金44,000円
ベリーベスト法律事務所事務手数料44,000円、報酬金22,000円、手数料0円以上(負債額の応じて増加)
アディーレ法律事務所着手金44,000円、報酬金22,000円

ここでは、安い費用で任意整理をやってくれる弁護士事務所を集めていますが、それでも1社につき4~7万円程度はかかります。また、弁護士事務所は、債務が複数あっても割引をしてくれないところが多くなっています。

司法書士に任意整理を依頼した際の費用相場

司法書士に任意整理を依頼した場合、かかる費用の具体例は次のようになっています。

事務所費用
松谷司法書士1社33,000円。2社以上なら1社につき22,000円
司法書士法人黒川事務所1社44,000円。2社以上なら1社につき33,000円
返済代行有りなら1社22,000円(返済代行手数料1社ごとに月1,100円)
はたの法務事務所1社22,000円以上
杉山事務所着手金11,000円以上

司法書士事務所の場合、1社につき2~5万円程度の費用ですみます。さらに複数の債務の依頼をすると、割引してくれる事務所も多くあります。

任意整理と自己破産、個人再生の費用相場の違い

債務整理には、任意整理以外に「個人再生」や「自己破産」という方法もあります。この3つにかかる費用を比較すると、次のようになります。

債務整理の種類合計費用
任意整理1社につき5~15万円程度
個人再生50~80万円程度
自己破産30~130万円程度

任意整理が裁判外でできる手続きであるのに対して、個人再生と自己破産は裁判所への申込みが必要です。そのため、「申立手数料」「個人再生委員の選任費用」などの「裁判所費用」もかかり、費用総額が大きくなってしまいます。

ただし、個人再生や自己破産は、借金を減額する効果も大きいため、どの方法で債務整理をするのが効率的かはケース・バイ・ケースです。

また、債務の件数が多すぎる場合は、任意整理の費用が大きくなってしまうため、他の債務整理方法との差が少なくなります。

無料相談可能!任意整理の解決実績豊富な法律事務所

ここで任意整理の解決実績が多い債務整理おすすめ事務所を厳選して4社ご紹介します。

  • 東京ロータス法律事務所
  • ライズ総合法律事務所
  • ひばり法律事務所
  • はたの法務事務所

これらの法律事務所は、無料で相談できますので、ぜひ試してみてください

無料相談や無料電話で気軽に使える東京ロータス法律事務所

公式サイトhttp://tokyo-lawtas.com/
所在地東京都台東区東上野1丁目13番2号成田第二ビル2階
営業時間平日10:00~20:00/土日祝日10:00~19:00
定休日無休

「東京ロータス法律事務所」では、借金に関する相談は「無料」です。電話で相談した場合は、電話代がかかりません。ほかにメールフォームでの無料法律相談もやっているため、気軽に利用できる法律事務所となっています。

また、東京ロータス法律事務所は、設立当初から債務整理に関する依頼を受け続けているため、実績豊富です。そのため、任意整理に適した法律事務所の1つだと言えます。

債務整理に長け全国対応もしているライズ綜合法律事務所

公式サイトhttps://risesogo.jp/
所在地ライズ東京:東京都中央区日本橋3-9-1日本橋三丁目スクエア12階
営業時間9:00~21:00
定休日無休

「ライズ総合法律事務所」は、東京、横浜、大阪に事務所があり、日本全国の依頼に対応しています。また、債務整理に関する問題「5万件以上」に対応した実績があります。多くの貸金業者と交渉を重ねてきたので、任意整理を依頼する事務所としては非常に頼りになります。

利用者の声はライズ綜合法律事務所の評判の記事をチェックしてみてください。

債務整理に特化して信頼性の高いひばり法律事務所

公式サイトhttps://hibari-law.net/
所在地東京都墨田区江東橋4丁目22-4 第一東永ビル6階
営業時間平日10:00~18:00
定休日土日

「ひばり法律事務所」は、債務整理に特化した法律事務所です。基本業務は「任意整理」「過払い金請求」「自己破産」「個人再生」の4つとなっています。

事務所の規模は小さいものの、債務整理に特化している分だけ、弁護士の中でも任意整理での交渉能力に期待できます。

40年の実績と費用の安さに定評があるはたの法務事務所

公式サイトhttps://hikari-hatano.com/
所在地東京都杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階(受付)・6階
営業時間平日8:30~21:30/土日祝日8:30~21:00
定休日無休

「はたの法務事務所」は、40年という長い実績を持つ司法書士事務所です。債務整理に関わった件数も20万件以上と圧倒的で、任意整理を任せるのに不足はありません。

また、「相談料」「着手金」が無料、全国どこに「出張」しても無料、と債務整理にかかる費用の安さにも定評があります。詳細ははたの法務事務所の評判を参考にしてください。

任意整理に掛かる費用を安く抑える方法を解説

そもそも返済が苦しいから任意整理をするわけで、任意整理にかかる費用はできるだけ抑えたいというのが正直なところでしょう。負担を減らして債務整理をする方法としては、次の2つがあります。

  • 多くの法律事務所は分割払いに対応している
  • 手間と時間を要するが自分で手続きすれば費用を抑えられる

では、任意整理にかかる費用を抑える方法について、詳しく見ていきましょう。

多くの法律事務所は分割払いに対応している

任意整理にかかる費用負担を減らす方法として、「分割払い」を選ぶというやり方があります。分割払いにしても、払う費用の総額は変わりませんが、毎月少しずつ支払っていけるため、無理なく債務整理をすることができます。

ただし、すべての法律事務所が分割払いに対応しているわけではありません。分割払いをしたい場合は、最初に債務整理の相談をした時に、分割払いの制度があるかどうかを確認しておく必要があります。

また、一部の法律事務所は「後払い」にも対応しています。後払いなら債務整理の交渉が終わってからの支払いですむため、費用支払いに数ヶ月程度の余裕ができます。

分割払いにしても法律事務所に金利などを取られることはあまりない

法律事務所が任意整理の料金を分割払いにする場合、原則として利息は取りません。費用が増えるわけではないので、ためらわずに分割払いを利用することができます。

ただし、分割払いを選ぶと「手数料」を別に取る法律事務所も存在しています。そのため、分割払いを利用する前に手数料や利息を取られるのかどうか、確認しておく必要があります。

とはいえ、仮に法律事務所が手数料を取る場合でも、貸金業者のような高金利ということはないため、それほど大きく支払額が変わるわけではありません。

手間と時間を要するが自分で手続きすれば費用を抑えられる

極限まで任意整理の費用を抑えたいなら、「自分で手続きをする」という方法もあります。すべてを自分の手でできるなら、かかる費用は「実費」だけですみます。しかし、自分で任意整理をやろうとする場合、次のような問題があります。

  • 個人相手だと一切交渉に応じない貸金業者もいる
  • 十分な法律知識が無いと任意整理が失敗に終わる可能性が高い
  • 手間と時間がかかる
  • 受任通知ができない
  • 過払い金を見落としてしまうことがある

任意整理とは、法律に則った契約ではなく、あくまで債務者と貸金業者が「交渉」により和解するというものです。そのため、法律の専門家ではなく、素人の個人が来ると、そもそも交渉に応じないという貸金業者もいます。

貸金業者には、債務者の交渉に応じる法的な義務がないため、無視されてしまうと話はそれで終わってしまいます。

また、交渉に応じてくれた場合でも、素人がうまく話をまとめられる可能性は高くありません。仮に任意整理ができたとしても、利息がなくなっていない、など任意整理をする意味が薄い条件での和解となってしまうこともあります。

このように個人での任意整理は成功率が低いのですが、その割に大変な「手間と時間」がかかります。仕事をしながら任意整理の手続きを自力でやるのは、かなり困難だと言わざるをえません。

さらに自分で手続きする場合は、弁護士に依頼した時のように「受任通知書」を出すことができません。受任通知書が届かない場合、返済をストップさせることができないため、借金の返済をしながら任意整理の手続きをしなければいけません。

また「過払い金」は、一気に借金問題を解決できる救世主になりえますが、自分だけで調べていると過払い金があることを見逃してしまったり、過払い金の額を低く見積もってしまったりする危険性があります。

法律事務所を通さずに自分で任意整理をやる方法・手順を解説

法律事務所に依頼せずに自分で任意整理をやる場合、次のような手順で手続きを進めていきます。

  1. 開示請求をして取引履歴を確認する
  2. 引き直し計算をして正確な債務額を把握する
  3. 過払い金があるなら、過払い金請求をする
  4. 債権者と相談した上で和解交渉をする

開示請求をして取引履歴を確認する

最初に任意整理をする予定の債権者すべてに、「開示請求」をします。開示請求は、借入額、返済額などの金銭授受のデータを債権者に提出してもらい、正確な「債務履歴」を把握するためのものです。

貸金業者は、法律によって、契約年月日、貸付金額、受領金額などのデータを細かく残しておくことが義務付けられています。また、利用者(債務者)は、貸金業者に金銭授受のデータを請求する権利を法律で認められています。

開示請求は、電話でもできますが、記録として残すために「書留郵便」や「内容証明郵便」などで請求したほうが安心できます。貸金業者が開示請求に応じないことは、「不法行為」であるという判例が最高裁判所で出されています。そのため、情報不開示を理由にして「損害賠償請求」をすることもできます。

引き直し計算をして正確な債務額を把握する

次に、開示請求で手に入れた取引履歴に対して、「引き直し計算(元本充当計算)」をします。引き直し計算とは、これまでの返済履歴を「利息制限法」の所定の利率に直して、残りの元本額を計算することです。

以前は「出資法」の上限金利を適用した「グレーゾーン金利」で商売をしている貸金業者が多くいました。しかし現在、過去にグレーゾーン金利で支払いをおこなっていた場合、利息制限法の金利を超過していた金額分だけ元本に充当(元本を減らす)することができる、という判例が出ています。

さらに、引き直し計算をした結果として元本が完済され、それでも超過しているお金があれば、その分の利息を返してもらえるという判例も出ています。これがいわゆる「過払い金」と言われているものです。

引き直し計算をする場合、1回1回の取引ごとに利息を計算し直して元本に充当し、その充当された元本で次の利息を計算する、という非常に面倒な作業が必要になります。実際に、専門家でもこの引き直し計算を手動でやることはあまりなく、引き直し計算専用のプログラムを使って計算をおこなっています。

引き直し計算専用プログラムは、ネット上にあるため、自分でダウンロードして利用することは不可能ではありません。しかしプログラムを手に入れても、間違った使い方をしてしまう可能性もあります。

たった1つの入力間違えでも、大きく結果が変わり、大損してしまう危険性があります。そのため、引き直し計算だけ専門家に「代行」してもらう、という方法もあります。

過払い金があるなら、過払い金請求をする

引き直し計算の結果、過払い金が発生していた場合、「過払い金請求」をすることになります。貸金業者に「過払い金請求通知書」を送り、過払い金の返還を迫ります。過払い金請求通知書は、後日の証拠となるため、ちゃんと記録として残る方法で送付しなければいけません。

個人が過払い金請求をした場合、貸金業者が返還をしなかったり、満額返還額をせず、返済額を減らそうとしたりするケースがあります。

この場合、交渉でうまく話がまとまらなければ、「過払い金返還訴訟」をしなければいけません。しかし過払い金返還訴訟をするとなると、平日に裁判所に出向いたり、期日までに各種書類を用意したりしなければならず、非常に面倒です。時間的にも、裁判が1年以上の長期戦になることもあり、とてつもない労力がかかってしまいます。

過払い金が発生しているということは、債務の元本が完済されているということです。そのため、過払い金があるなら、素直に専門家に頼んでしまった方が無難です。

債権者と相談した上で和解交渉をする

過払い金がなかった場合、「元本」をどうするか、「利息」をどうするか、「返済回数」をどうするか、などを債権者と話し合います。

元本については減額されることは、まずありません。これは法律事務所に頼んだ場合でも同様で、元本自体を減らしたい場合は、任意整理以外の手続きをする必要があります。

法律事務所に頼んだ場合、以後の利息をカットして元本だけの返済にしてくれるのが普通です。しかし個人で交渉した場合は、多少利息が減るくらいで、利息無しまでにはできないケースも多くあります。

利息分の支払いを考えると、実は法律事務所に頼んだほうが安くすんでいた、ということもありえるので注意が必要です。

返済回数は、3年36回払いが基準になります。うまく交渉ができれば、5年60回払いまでは延長してもらうことも不可能ではありませんが、個人で合意を得るのはかなり困難です。

すべての交渉がまとまったら、「和解契約書」を作って書面に残します。一応、口頭だけで契約することも可能ではありますが、後で債権者に言を翻されたりするリスクが生まれてしまいます。和解契約が成立したら、その契約内容に従って返済をしていきます。

任意整理の費用が払えない場合の対処方法はある

任意整理の費用が払えなくて困っている場合、次のような方法を試してみてください。

  • 弁護士や認定司法書士に相談する
  • 法テラスの立て替え制度を利用する
  • 受任通知で督促が止まっている期間を利用する

では、任意整理の費用が払えない場合の対処方法について、詳しく見ていきましょう。

まず弁護士事務所や司法書士事務所に無料相談をしてみる

任意整理の費用を抑えるために、自分で考えたり情報を集めたりするのもよいのですが、1番手っ取り早いのは、専門家に「相談」してみることです。

前の方の項目で紹介したように、今は相談だけなら「無料」でやってくれる法律事務所がたくさんあります。そこで、任意整理の費用を払うのが厳しいと伝えれば、弁護士が適切なアドバイスを与えてくれます。

別に相談したからといって、その法律事務所に任意整理の依頼をしなければいけない、ということもありません。どうするのが1番得になるのか、参考として話を聞いてみましょう。

相談した結果、納得できないことがあれば、別の法律事務所を併用するという手もあります。法律事務所によって債務整理の方針は違うため、医者のセカンドオピニオンのように、複数の法律事務所を使ったほうが、より良い結果が出るという可能性もあります。

ちなみに、司法書士は相談に応じるだけでも制限があり、任意整理の相談ができるのは、認定司法書士だけです。

日本政府が設立した法テラスでは費用の立て替えをしてくれる

「法テラス」は、国が運営している組織で、正式名称を「日本司法支援センター」と言います。法テラスは、経済的に余裕がない人でも、公平に裁判を受けられるようにサポートするためのシステムです。法テラスは、次のような3つのサポートをおこなっています。

  • 無料法律相談
  • 書類作成支援
  • 代理援助

「無料法律相談」では、弁護士や司法書士が債務整理に関する相談に乗ってくれます。費用はかかりませんが、1回30分までという制限があります。ただし、1つの案件につき3回まで無料相談を利用することができます。

任意整理で重要なのは「書類作成支援」と「代理援助」です。書類作成支援では、弁護士や司法書士に書類作成を依頼する際の費用を、法テラスが立て替えてくれます。

代理援助では、さまざまな手続きや交渉にかかる弁護士や司法書士の費用を、法テラスが立て替えてくれます。着手金や報酬金だけでなく、実費も含めて立て替えてもらうことが可能です。

立て替えてもらった費用は、毎月5,000~10,000円の分割払いにしてもらえます。そのため、月々の支払いを抑えて、余裕を持って返済していくことができます。

法テラスを使うためには条件を満たす必要があるので要確認

便利な法テラスですが、誰でも利用できるわけではありません。法テラスはあくまで、経済的な余裕がない人を助けるためのセーフティーネットのため、利用には次のような条件があります。

  • 収入や財産が法テラスの定めた基準値以下であること
  • 和解や調停、示談などにより解決の見込みがある案件であること
  • 民事法律扶助の趣旨に沿ったものであること

このように条件がある上に、法テラスにはデメリットもあります。まず、法テラス経由で任意整理をする場合、担当者を自分で選ぶことはできません。

法テラス側から推薦された弁護士や司法書士に、相談する相手や任意整理の依頼をする相手が自動的に決定してしまいます。最悪の場合、任意整理の解決実績の少ない弁護士に当たってしまうことすらありえます。

また、民間の法律事務所のように、スピーディーな動きは期待できません。まず利用するのに、収入や財産などの「審査」が必要になるため、任意整理が始まるまでにある程度の「時間」が必要になってしまいます。

弁護士への依頼がすまないと受任通知書が出せないため、切羽詰まっていてすぐに取り立てを止めてほしいといった状況にも、法テラスは向いていません。

生活保護受給者なら返済が免除されたり猶予を受けられたりする場合も

生活保護受給者なら、法テラスを使う利点が多くなります。まず、生活保護を受けている時点で、法テラスの基本的な条件はクリアしています。

そして援助継続中に生活保護を受けている場合は、案件が終了するまで費用の返済が「猶予」されます。

案件終了時でもまだ生活保護を受けている場合、代理援助してもらった費用について、「返済の免除申請」をすることができます。つまり、任意整理の費用を無料にすることができるということです。

ただし、過払い金申請などで利益が出た場合は例外となります。生活保護受給者でも、利益として得た金額は任意整理の費用に回さなければいけません。

法テラスは和解後の返済と費用の支払いが重複するので注意しよう

弁護士や認定司法書士に依頼した場合、和解が成立するまでの期間に弁護士費用を払い終わるように設定してあるのが普通です。つまり、和解中は弁護士費用を払い、和解成立後は借金の返済をする、というように支払いが重複しないようになっています。

しかし法テラスは、月々の返済額が少ないため、交渉中に費用を払い終わることはできず、借金の返済を始めても、弁護士費用の支払いが続くことになります。そのため、普通に法律事務所に依頼するときよりも、月々の返済額が少し増加してしまいます。

受任通知で借金の督促が止まるので任意整理の費用に回す

弁護士や認定司法書士に任意整理の依頼をした場合、「受任通知書(介入通知)」が債権者に送付されます。これにより、弁護士が債務整理の依頼を受けたことを債権者に知らせます。

さらに受任通知を受け取った「貸金業者」や「債権回収業者」は、直接の取り立てを止めなければいけない、と法律(貸金業法、サービサー法)で決まっています。

借金の返済が一時ストップするため、この期間に弁護士や認定司法書士への依頼料を貯めることが可能です。

しかし受任通知で督促が止まるのは、貸金業者と債権回収業者だけです。それ以外の「銀行」「信用組合」「信用金庫」や「個人」「企業」「携帯電話会社」から借りているお金については、取り立てが止まりません。

ただし、たいがいの金融機関や企業は、受任通知を確認した段階で借金の督促を一時停止してくれます。

受任通知に関する注意点が2つあります。まず1つ目は直接の督促が禁止されるだけで、間接的な取り立ては止められていないということです。つまり、債権者は裁判所に訴訟を起こして債務の取り立てをすることができます。

もう1つは、お金を借りている銀行に受任通知が行くと、その銀行の口座が凍結されてしまうということです。口座が凍結されている間に、銀行は預金で債務を相殺してしまいます。

任意整理の費用に関するよくある質問

任意整理について、よくある質問をまとめてみました。

  • 任意整理をした後、月々の返済額はどうやって決まりますか?
  • 任意整理をした場合、いつから弁護士費用をお支払いするんですか?
  • 任意整理のお支払い方法を教えて下さい。また分割支払いは可能ですか?

では、任意整理に関する疑問について、詳しく解説していきます。

任意整理をした後、月々の返済額はどうやって決まりますか?

任意整理をした場合、元本を返済回数で割った金額で毎月返済していくことになります。返済回数は3年36回が基本で、交渉次第で5年60回まで増加します。返済回数は、おもに借金の状況と弁護士の交渉力、債権者の方針によって決まります。

ただし、元本だけの支払い額ですむのは、弁護士が交渉によって「利息カット」の合意を得てくれた場合のみです。交渉に失敗した場合、利息も含めた返済額になります。

任意整理をした場合、いつから弁護士費用をお支払いするんですか?

通常、任意整理の依頼をして、債権者の合意が得られるまでの期間に弁護士費用を払い終わります。たいがいの場合分割払いもできますが、和解が成立するまでという時間制限があるため、何十回にも分けて弁護士費用を払うということはありません。

弁護士との依頼契約が成立した次の月あたりから弁護士費用を払い始め、すべての債権者と和解が成立する前の月あたりには弁護士費用を払い終わる、といったスケジュールが建てられているのが普通です。

ただし法テラス経由で任意整理をした場合は、借金の返済をしている最中も弁護士費用を払い続けることになります。

任意整理のお支払い方法を教えて下さい。また分割支払いは可能ですか?

多くの法律事務所では、分割払いができるようになっています。弁護士費用は、和解するまでの間に払い切るのが普通です。任意整理の和解までには半年程度かかるため、その間に支払いができる4回払いくらいの分割払いになるのが一般的です。

和解後の債務の支払い方法については、2通りあります。1つは、それまで通り自分で各債権者に返済していくという方法です。

任意整理を頼んだ場合は、弁護士に「返済代行」を頼むこともできます。返済代行を頼むと、弁護士宛にお金を振り込むだけで、そこから先の債権者への返済は、弁護士側でやってくれます。ただし、返済代行には手数料がかかります。

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